杜は帰る場所であり、居場所 横川裕子さんインタビュー

杜は帰る場所であり、居場所 横川裕子さんインタビュー

つぐもりの整備当初から関わっている横川裕子さん。その経緯と想いを伺いました。

- 継ぐ杜に関わることになった経緯を教えてください。

オーナーの順子さんは大学時代に4年間を一緒に過ごした友人です。その後、お互い仕事が忙しくなり会えない期間も長くありましたが、関係が途絶えることはなく、順子さんがここに家を建てた4年前に初めてこの地を訪れました。

リビングの窓から見える八ヶ岳の稜線と景観に感動している私の脇で彼女はこの土地に巡り合うまでの様々な経験や想い、人との出会いや今後の人生観を熱く・熱く語ってくれました。今思えばその時から彼女の開拓精神が芽生えていたのですね。

その後、エリアの開発話が少しずつ聞こえてくるにつれ、今の景観をこのまま残したいとの気持ちがどんどん膨らんで行ったそうです。程なくして今後倒木などの問題も出てくると思われる50年以上放っておかれた耕作放棄地を購入したと聞きました。

2021年の5月にその荒れた場所を二人で眺めなら順子さんが語ってくれたのは、今後の整備計画とその先にある夢でした。ちょうどその時期、私は仕事が一区切り着き次の人生のステージの選択を迷っていた時でしたので真っすぐに自分の夢に向かって突き進んでいる彼女を手伝いたい!と関わり始めました。

- 作業に関わっていかがでしたか?

なんと2週間後には整備チーム(当時は開拓チーム)が作られたのです。
開拓前夜はあの荒れ尽くした場所に入っていくのかと眠れなかったほど緊張しました。それでも長靴・手袋・ジャンパーなど一式買い揃えて、おっかなびっくり分け入って行ったのを覚えています。

それから色々な方との出会いが有りました。
ガーデナーの和久井さんを中心に木の上で仕事をする空師さんや、その様子をドローンで記録してくださる方、チェーンソーアーティストさん、ご自身の重機を持ち込んでくださる方、なんでも綺麗に片づけて下さる方それぞれが得意分野の技を発揮してくださり、同時に杜はどんどん整えられていきました。

雄大な自然の中で個性的で魅力的な方々との触れ合いは現在も続く雑草との闘いの活力となっています。

- 裕子さんは2年に渡り60日も来てくださっています。

私自身ルーティン的な行動が好きで、一度ハマると通い詰める、そんな性格はあります。ここにくれば常に私のやることがある。それが嬉しいと思っています。
私は埼玉で生まれ育ったのですが、今では杜は私にとって帰る場所であり、居場所。大宮から新幹線で1時間、必然的にフットワークも軽くなります(笑)

- これから杜がどんな場所になったらいいなと思いますか?

やはり2年という短い期間でこんなにも整ったのは、この土地が持っている力だと実感しています。この土地は人を魅了させる力を持っています。訪れた方それぞれが心地よさを感じる場所に成長していくのだろうと思います。

今後つぐもりに付加価値を与えていくのはカフェや宿泊施設なので、これからどう展開していくのか期待しています。

私はスタートからガーデンに関わっているので、自称ガーデン担当。カフェに出入りされるお客様から「きれい・気持ち良い・来てよかった」という声が聞けたら嬉しいなと思っています。そして継ぐ杜を通してこれからの沢山の出会いが楽しみです。

横川さん、ありがとうございました。


※杜の整備を始めて7日目。まだ鬱蒼としている杜に入っていく様子。

 


※石積みをしている裕子さん