生産者としての新しい試み 695COFFEE 戸塚さんインタビュー

生産者としての新しい試み 695COFFEE 戸塚さんインタビュー

つぐもりブレンドの配合と焙煎は小諸市のお隣、佐久市にある695COFFEEさんにお願いしています。695COFFEEの代表である戸塚さんは家業である大阪屋書店から大戸屋の経営を経て昨年自家焙煎カフェをオープン。家業の変遷のこと、つぐもりブレンドのことをお伺いしました。

- 大阪屋書店と戸塚さんが今までされてきたことを教えてください。

大阪屋は1901年創業で、昨年120周年を迎えました。雑貨屋として始まり、教科書の取扱をはじめたことから本屋になりました。僕が入社したのは2006年。その頃から雑誌やCDが売れなくなり、書店業界が全体として厳しい状況での入社でした。

その後数年は、書店の中で文房具を広げたり、雑貨を販売したりと試行錯誤しました。試行錯誤の中で、次の一手は常に考えていて。次にやるなら飲食店をフランチャイズでやるのがいいなとなんとなくですが思っていました。

- 飲食のフランチャイズが良いと思われた理由は何だったのでしょうか?

単純に大戸屋が好きだったというのが理由の一つです。大戸屋さんにフランチャイジーになれるか聞いたら、できるという話だったので新規事業という形で始めました。話をし始めてからオープン準備は急ピッチで進み、半年後にオープン。それが2013年だったので僕の入社から7年ほど経った頃でした。

- 物販から飲食という業態の転換は大変だったのではないですか?

実は僕の父親はあまり数字を見るタイプではないので、僕は入った時から財務数値を見させてもらっていて。入社直後から現場と財務を見ながら試行錯誤した経験が、銀行との交渉など新規事業のスタートに生きました。

また、チェーンストアのオペレーションや原価管理が自分にすごくあっていたということもあります。飲食店の経営、特にコスト管理については、大変というよりも面白いと思ったし、学ぶところが多かったですね。

- 昨年695COFFEEをオープンされましたが、どんな経緯だったのですか?

コロナを機に今カフェがあるスペースに入っていたテナントさんが撤退することになり、そこでカフェをやることにしました。

本屋を続けたいという両親の想いもありましたし、小さい頃にはありがたみを感じなかった本のことを大人になって好きになった自分もいて、本屋と両立できるビジネスを考えました。

本屋は利益率の高くないビジネス。それと両立するためには利益率を考慮する必要があります。そこで元々自分も好きだったコーヒーを考えました。焙煎までやろうと思ったのは、たまたま行った京都のカフェでマシンを見て興味が湧いたから。

これまでのいろいろな商材の販売経験や、書店グループに加盟していた時の海外研修、バイトでのバリスタ経験、飲食のチェーンストアオペレーションの経験、全ての経験と考え方が繋がって今の形になりました。

- 全てが繋がってこの695COFFEEになったのですね。

そうですね。父親は大阪屋の歴史にも誇りを持っていて、時代の潮流に合わせて変わってきた大阪屋のことを時々話します。「本質的なところは守りながらも、変わっていくことでしか会社は生き残っていけない」そういう考え方が根底にあったので、変わることには抵抗がありませんでした。

- つぐもりブレンドについて教えてください。

つぐもりのあるエリアは僕も好きなので、車でよく通ります。「杜の中を抜ける風を想起するブレンド」という要望を受けて、最初はミャンマーと東ティモールのアジア系の豆を使い、新緑が芽吹く時期のみずみずしさを全面に出したブレンドを作りました。それをベースに華やかさや落ち着き感、メインブレンドとして幅広い方に受け入れられる味、などいろいろな要素を考慮しながら調整したものが、つぐもりブレンドです。最終的にはミャンマーでみずみずしさは残しつつ、エチオピアで華やかさを表現し、コロンビアでバランスを取りました。

- つぐもり独自のブレンド、きっと多くの方に愛されるだろうなと確信しています。最後に一言お願いします。

生産者として商品を供給するということは、自分にとっても新しい挑戦です。僕のコーヒーを扱っているお店が繁栄することが、自分にとっての成功にもなるので、一緒に盛り上げていければと思います。


戸塚さん、ありがとうございました!
つぐもりではオリジナルブレンドを使用したコーヒーメニューをご用意してお待ちしております。

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